01/12/12 (Thu)
Barry Harris
バリー・ハリスのライブに行ってきました。彼のライブを聴くのはニューヨーク以来だから、実に5年ぶり。いや、もう年が明けたから6年ぶりです。現在82歳の彼がいまだに現役で頑張っていること、しかも遠い日本にまで足を運んでくれること、さらには東日本大震災で被災した方たちのことを自分のことのように心配してくれていること、すべてに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

バリー・ハリスは、マイルス・デイビス、キャノンボール・アダレイ、リー・モーガン、デクスター・ゴードンなど、今は亡きジャズの天才・偉人たちとも共演してきた、生きるレジェンドとも言えるジャズピアニストです。(ここに主な共演者リストがありました) でも彼の演奏はどちらかというと地味で、同じビーバップ奏者のバド・パウエルやセロニアス・モンクのような華やかでエキセントリックでさえある表現とは一線を画しているように思います。(モンクとは一緒に住んでいた時代もあるようです。大変そう・笑)

例えば私の場合、友達の家でかかっていたCDのサックスがとても素敵だったので誰なのか聞いたらスタン・ゲッツだったとか、アート・ブレイキーの「Moanin'」を聴いていたらトランペットが異常にかっこよかったので名前を見たらリー・モーガンだったとか、マイルスの「Some Day My Prince Will Come」のピアノがしゃれていたのでやはり名前を見たらウィントン・ケリーだったなど、ジャズを聴き始めた頃は他の誰かの演奏を通して新たな名前を覚えることも多かったです。

ところがバリー・ハリスに関してはむしろ逆で、さんざん聴き込んだあの「THE SIDEWINDER」のピアノが彼だったことをずっとあとになって知って驚き、そのうえ今さらながら聴き直してもなおリー・モーガンのトランペットに聴き入りすぎてピアノの存在が空気のようになってしまうことにあらためて驚く、という状況。気をつけて彼のピアノだけに集中してみると、なるほど表現が非常にやさしくソフトで抑え目です。だからかーと勝手に納得(笑)

そんなやさしく控えめな性格を反映してか、彼がライブに選ぶ曲目もまたスローでメロディアスでロマンチックなものがほとんど。彼のサイトにアップされていた「I'll Keep Loving You」(今回のライブの曲目にも入っていました)は、そんな彼の表現がよくわかる演奏だと思います。試聴したい方はこちらです。

表現といえば、先日CDを買って初めて聴いた辻井伸行さんのピアノは、音が驚くほど美しくて清らかで感動しましたが、表現はロボットみたいでした…途中でつらくなったので、家にあったポリーニのCDに換えてしまいました(汗)