01/22/12 (Sun)
原発の寿命
日本政府は、原則40年としていた原発の運転期間について、例外として最長20年の延長を認める方針を発表しました。…と、ここでまず思い出したのが、忘れもしない福島第一原発1号機のことです。

具体的には、1971年3月26日に運転を開始した同1号機が、まさに去年の3月にいわゆる設計寿命の40年を迎えていたこと、にもかかわらず皮肉なことに震災のわずか1カ月前の2月7日に10年間の延長が認められたこと(参考リンク)、その時の主査が東大の関村という教授で、この人が震災後しばらくの間NHKで不自然なくらい安全バイアスがかかりまくったコメントを連発していたこと、特に水素爆発が起こった時のコメントがあまりにも的外れだったせいかその直後からぱったりと出なくなったこと、この人を含めた東大大学院工学系研究科は東電から多額の寄付を受けていたこと(参考リンク)、さらにこの延長を認可したのはもちろんあの原発推進派の原子力安全・保安院だったこと、です。

つまり、原発の寿命を決めたり審査してきたのは原発利権の人たちで、設計サイドの意見を普通に取り入れていれば事故は防げたかもしれない、ということです。

ちなみに、今回の60年という考え方の基になったと思われる、やはり原子力安全・保安院が2005年にまとめた「
高経年化対策の充実に向けた基本的考え方」も、検討委員会のメンバーを見るとほとんどが原発利権絡み。細野さんが「延長のハードルは相当高くなる」と言っても説得力がないと思ってしまうのは、こうした構図が何も変わっていないからです。

そしてそれは、今回の規定には「米国など世界の潮流を参考にした」という発想にもよく表れていると思います。世界一の地震大国で(世界で発生しているマグニチュード6以上の地震のうち約2割が日本で発生)、国土がものすごく小さく(世界の国土面積に占める日本の割合はわずか約0.25%)、しかも海に囲まれていて逃げ場もないという三重苦を背負っているにもかかわらず、国土面積に対する原発保有数が「世界一」という非常に特殊な状況にある日本を、他の国と同じ基準で考える方がおかしい。

最長で60年というと、既存の原発の平均運転期間が25.5年だから(下のリストから計算)、ざっくり言って今から30数年後には今回の福島第一以上に実質ボロボロの原子炉が存在している可能性があるわけですね。今後30年以内に巨大地震が起こる確率は非常に高いと言われている国とは思えません。でも、30数年後といえば、現在この法改正にかかわっている政治家や官僚たちはほとんどが引退もしくは死んじゃってる頃か。責任やリスクは先送りし、すべて後世に残していく。That makes sense.