02/03/15 (Tue)
貿易赤字の中身
2014年の貿易赤字は速報値ベースで過去最大の12兆7874億円に膨らみました。そこで、赤字の拡大が続いている原因を具体的に知りたいと思い、調べてみました。

まず、輸出額が最も大きい「自動車」と2番目に大きい「鉄鋼」、輸入額が最も大きい「原油および粗油」と2番目に大きい「液化天然ガス」の主要4品目をピックアップして、貿易収支(=輸出額-輸入額)の推移を見てみました(下のチャート)。

これを見ると、自動車の黒字額がリーマンショック(2008年)前の水準に戻っていない一方、液化天然ガスの赤字額がここ数年で拡大していることがわかります。





次に、「自動車」、「原油および粗油」、「液化天然ガス」について、それぞれ「①前年の額+②数量効果+③価格効果+④為替変動」の4つの要因に分解してみました。

まず、輸出側の「自動車」について見てみると(下のチャート)、数量はリーマンショック後の2009年に大きく減って以降、あまり回復していないこと、2013-2014年の増加のほとんどは円安によるもので、価格は下落し、数量も減少していることがわかりました。

自動車の輸出が数量・価格ともに弱いのは、2009-2010年のユーロ危機以降、欧州経済の停滞が続いていることが大きく影響していると思われます。実際、EU向けの輸出台数は、2007年に109万台だったのが、2009年には58万台、2013年には39万台まで落ち込みました。





一方、輸入側の「原油および粗油」についても同じように分解してみました(下のチャート)。リーマンショック後の2009年は、数量、価格、為替がすべてマイナスに寄与(輸入額は縮小)しましたが、2010-2012年には価格の上昇、2013ー2014年は円安により、輸入額は増えました。

興味深いのは、2013-2014年は数量が減少していることです。また、原油価格は2012年にピークを打ち、2014年春頃からは急落していますが、その影響はまだそれほど大きくは反映されていないことがわかります。





最後に、やはり輸入側の「液化天然ガス」について見てみます(下のチャート)。これによると、価格は2010-2012年に大幅に上昇した後、高止まりしていること、数量も減っていないこと、円安でさらに増加していることがわかります。おそらく貿易赤字の拡大に最も大きく寄与しているのは、この品目だと思われます。