02/17/13 (Sun)
誰も知らない「名画の見方」
先日読み終えた『誰も知らない「名画の見方」』は非常に優れた良書でした。薄くて簡潔で美しい絵にあふれていてとても読みやすいのに、深く神秘的な知識がそこかしこにちりばめられています。すでに何度も読み返しましたが、これからもそうしたいと思う永久保存版の1冊になりました。下はその冒頭部分からの抜粋です。


「絵は好きだけど、どうやって見たらよくわからない」という人がいる。あるいは、「絵を見るのは楽しいけど、素人だから美術のことはわからない」という言葉もしばしば聞く。「わからない」と思うのは、好きな絵を見る喜びを味わいながら、その奥にもっとなにかあるのではないかと、心のどこかで漠然と感じているからである。そして事実、優れた作品は、幾重にも豊かな魅力を秘めている。

美術の専門家にとっても、わからないことはいっぱいある。画家について、作品について、調べれば調べるほどわからないことばかりと言ってもいい。だがそのようにして多くの作品に接し、互いに比較し、また歴史や背景を探っていくうちに、まるで山道で突然、眺望が開けるように、今まで気づかなかった新しい視点が浮かび上がってくる。

そのことに気づいて改めて絵を見直してみると、そこに新たな発見があり、理解が深まり、喜びと感動は倍加する。「絵の見方」というようなものがもしあるとすれば、そのような視点を見出すことにほかならないだろう。


実はもう1冊、これと読み比べるつもりで一緒に買った本がありました。『五感でわかる名画鑑賞術』です。偶然にも表紙は同じフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」でした。『誰も知らない~』のすぐ後に読んだせいか、文章に無駄が多く、内容も俗っぽく感じてしまいましたが、さらっと読むにはいいかもしれません。