03/24/14 (Mon)
はじめての能鑑賞
能に詳しい友達に誘われて、生まれてはじめて「能」を鑑賞してきました。場所は観世能楽堂。ずぶの素人の目から見た率直な感想は、「みな無表情」「顔が動かない」「顔の高さも動かない」「体が回るときは顔も同じだけ回る」「目線も顔とともに移動」「そのせいか、少し前に別な友達に誘われて観に行った人形浄瑠璃よりも人形っぽい」「体は正面か横を向いていることが多い」「腰がつらそう」「かなりの確率で扇子を持つ手が震えている」「謡(台詞)に『~候ふ』がむちゃくちゃ多い」…などなど。

とはいえ、そんな素人目にも、人間国宝の関根祥六さんの「卒都婆小町」と同じく人間国宝の野村萬さん(野村萬斎さんの伯父)の「見物左衛門(狂言)」が別格だったことはわかりました。特に「卒都婆小町」はすごかったなあ…「乞食の老女が道ばたに腰かけて休んでいる。この乞食老女こそ才色兼備の名歌人・小野小町のなれの果てだった。男たちの恋の誘いを退け続けた小町は百歳の今まで死なず、老醜をさらしている」というちょっと驚きの設定で、この小町の能面の怖いこと、そして哀しいこと…。

私たちのグループは、その能に詳しい友達のおかげで、何と正面の最前列で鑑賞できました。なのに、つい居眠りをしてしまい(!)、はっと目が覚めた瞬間に目の前の小町と目が合ったときは怖かった…。鬼気迫る狂気と老いの哀愁、それでもなお失われていない気高さと信念…それらを見事に体現していた関根祥六さんのものすごいオーラはいつまでも記憶に残りそうです。