05/07/20 (Thu)
アップデートと都道府県別死亡者数の変化 — 新型コロナウイルス その5
まずは前回「タイムラグと大幅な過小評価」と前々回「重要なのは入院患者数と死亡者数」に掲載したチャートのアップデートから。

下のチャートでは、退院者数が入院者数(ピンクの縦棒)を上回りました。入院者数がボコッと減っている日がありますが、これは厚労省がそれまで突合作業のために計上していなかった退院者数を突然、計上したためです。これで少なくとも都道府県のデータとのタイムラグはなくなったと思われます。



これを反映し、下のチャートで示した「最終転帰に占める死亡者の割合」も低水準で安定的に推移しています。医療従事者の方々の必死の努力がうかがえます。(実際、「COVID-19 重症患者状況」の3番目の「国内のCOVID-19に対するECMO治療の成績累計」を見ると、ECMOまで行ってしまった患者が生還する割合の高さに驚きます。医療関係の友達が「日本はICUが少ない割には死亡率を低く抑える力がある」と言っていたことを思い出しました)。



次に、死亡者数の倍加時間ですが、これもまた(偶然にも前回のアップデートの翌日から)厚労省が突合作業のために脚注に示すにとどめていた死亡者数を一気に計上したため、下のチャートにあるように30日目(4/22)に急増しましたが、都道府県の数字とのタイムラグは解消されました。

前回(4/21)に「11日後には死亡者数が500人近くに達する」と書きましたが、12日後の5/3に492人になり、この間、ペースは変わりませんでした。ただし、ここ数日間では傾きがなだらかになってきたように見えるため、過去7日間のデータで倍加時間を計算すると、「17日ごとに2倍」のペースまで減速したことがわかりました。

とはいえ、さらに減速しなければ2週間余りで今の倍(本日は551人なので1100人くらい)になる可能性があり、東京都の外出自粛要請(3/25)、7都道府県の緊急事態宣言(4/7)、緊急事態宣言の全国への拡大(4/16)と、1カ月以上も外出自粛を頑張ってきたわりには減速のペースが遅い気もします。



そこで、都道府県別に死亡者数の変化を調べてみました。下のチャートは、死亡者数が全体に占める割合が大きい順に、4/16と本日5/7の累計死亡者数を示したものです。それぞれの死亡者がその3-4週間前に感染したと想定すると、これで7都道府県の緊急事態宣言(4/7)の「前」に感染した人と「後」に感染した人を比較できます。

これを見ると、東京の増加幅が突出して大きいことがわかります。また、上位4都道府県(東京、大阪、北海道、神奈川)だけで全体の5割を超え、さらに5県(埼玉、千葉、愛知、福岡、兵庫)を足すと全体の8割を超えることもわかりました。つまり、少なくとも現時点では感染も死亡もごく一部の地域に偏っており、特に東京での移動・外出自粛が十分ではないことがうかがえます。こんなに頑張ってるのにな…涙