06/19/12 (Tue)
最後の数分間が忘れられない映画
たまーに、最後の数分間がキョーレツに記憶に残る映画というのに出会います。私の場合、まず思い浮かぶのは『4 Minutes (4分間のピアニスト)』。それまではずーっと暗くすすけた感じで進行していたのに、最後の数分間だけびっくりするほど鮮やかに、そして強烈に変貌するのです。映像も、音楽も、そして主人公も。好きな映画かと聞かれたらちょっと答えに詰まるけれど、最後がすごい!というトップ10があるとしたら、間違いなくこれを1番に挙げます。

次は、『The Lover (愛人/ラマン)』。最初はB級映画だろうと見始めたのに、すぐにいい映画だとわかる。なかでもとりわけ素晴らしいのが最後の数分間。静かで美しくて切なくて悲しい。この時のゆっくりとした奥行きのあるカメラワークが秀逸で忘れられない。暗闇の中で光る涙も。最後が好きな映画トップ10があったら、これが一番。

そして、『The Third Man (第三の男)』。これはもう最も好きな映画の1つ。この映画の撮影技術がその後の映画界のお手本となるほどのものだった、ということを知らずに見たけれど、光と影の使い方、アングルの面白さ、シーンを構成するセンス、どれをとっても超一流。特にこれが1949年の作品ということを考えると、ほとんど衝撃に近い感銘を受ける。対して、最後のシーンではカメラは動かない。動かないのには理由がある。悲しいのに洒落たエンディング。これも心に残ります。

そして、これも有名な『The Usual Suspects (ユージュアル・サスペクツ)』。どんでん返しで終わる映画は掃いて捨てるほどあるけれど、こんな予期しない終わり方はちょっと珍しい。視聴者が頭を整理する間、スローモーション、エコー、そして過去のシーンが絶妙に重なり合う。

そして最後、『Black Swan (ブラック・スワン)』。これははっきり言って最初から最後までキョーレツですが、それでも最後が極めつけにキョーレツ。すごいなんてもんじゃない。ものすごい。絶句。もう1度見たい映画かと聞かれたら、正直もういいですって感じだけど、この最後はずっと心に残るでしょう。いや、忘れろと言われても忘れられないです。