09/16/10 (Thu)
圧勝とか、非不胎化とか
ここ2~3日、いろいろありますが、「圧勝」とか「非不胎化」とか、いかにも誤解を招く表現がひんぱんに使われているのが気になります。

例えば代表選挙の結果。なぜかほとんどのマスコミが公表していないけど、「菅249ポイント、小沢51ポイント」で大差がついたとされている党員・サポーターの得票数って、実数でみると菅と小沢は6対4。

菅:137,998票(60.47%)
小沢:90,194票(39.53%)

総取り方式ってトリッキーだから、実態を把握するには中身も見る必要があるというのに、そういうことには全然触れていない。私からすれば、普段の世論調査で1割程度しか支持率がなかった小沢が4割もとれたなんて、意外や意外、大健闘したという印象です。さらに、今回の選挙で3割以上の人が棄権したというのも重要です。

有権者数:342,493票(100.00%)
投票数:229,030票(66.87%)
棄権:113,463票(33.13%)

これらの数字から見えてくるのは、多くの有権者がどっちもいやだったこと、そして何だかんだで小沢の方が指導力があると判断した人が意外に多かったこと、実質的に民主党はほぼ真っ二つに分かれている、ということです。これを「圧勝」とは言わないんじゃない?

もう1つは「非不胎化」という表現。昨日の円売り介入について、マスコミや解説者たちが「放出した円を吸収せずに放置すること」という意味でこの言葉を使いまくっているので、きっと一般の人たちは「へえ、じゃあ金融緩和効果があるんだ」とか、「事実上の量的緩和なんだ」と思っちゃうと思います。

でも、日銀金融研究所の主張3:「非不胎化介入により円高が一方的に進まないとの期待を生み出すことができる」についてに出ているグラフを見れば、全体の額に対して微々たるものについて不胎化・非不胎化を区別することがほとんど無意味なことは一目瞭然です。(この文章もデータもかなり古いけど、ポイントは変わりません)。

また、介入資金はいったん日銀が引き受けた後、市場で調達されて日銀に返済される仕組みなので、日銀の白川総裁自身も京都大学教授時代の著書「現代の金融政策」の中で書いているように、「当座預金に対する影響は中立的であり、介入は自動的に『不胎化介入』となる。不胎化と非不胎化の区別に意味はない」のです。

言葉から受ける印象が、中身の数字や仕組みを見ることで全く変わってしまうことはよくあります。でも、その中身をちゃんと公表してくれるマスコミが日本には少なすぎ。