09/24/12 (Mon)
魯山人と久兵衛
先日、銀座 久兵衛に行く機会に恵まれました。久兵衛と言えば、初代があの北大路魯山人と親交が深かったことでも知られています。そのため、ここでは魯山人の器で寿司を食べることができます。

ちょうど魯山人の「春夏秋冬 料理天国」を読んでいるところなので、ちょっと引用してみます。

うまい料理をこしらえる秘訣
うまいものを食う秘訣

それは度々申すように良い材料を用いること、選ぶことだ。料理のまずい理由は、大概料理人の材料を選択する際の不明、不注意からくる。選択の道を誤っているか、もしくは良否の判別ができ得ない未熟からだ。

良き材料というと直ぐに高価に違いないと連想されるだろうが、そうとばかりは限らない。質のよしあしを知るものは、同じ金でもって美食する。

寿司の上等もやはり材料が問題である。

1、最上の米
2、最上の酢
3、最上の魚介類、大体において一番高価な相場のもの
4、最上の海苔
5、最上の生姜

以上の材料さえ整えば、まずうまい寿司はできるのである。

良い材料を使う寿司は、高いのは当然だ。高価を呼ぶものにはそれぞれ理由がある。その理由をわきまえず、単に金高のみに拘泥して驚くのは野暮である。高い寿司には高いだけの理由があって、無暗に金ばかり取るのは、どこにもないようだ。寿司の相場も実のところ味覚に通じた客人が決めているとも言える。

店つきの風格、諸道具、材料及び原料、衛生設備、その他職人、女中にしても一流好みを狙い、すべてが金のかかった業態をして、さあいかがと待ちかまえているかいないかがうまい寿司、まずい寿司、安い寿司、高い寿司のわかれ目である。


日本では、一番良い魚介類はまず築地に集まるそうです。そして、その築地でさらに一番良い魚介類を競り落とすのが久兵衛などの高級店。材料が悪いはずがありません。うるさーい魯山人の過度なまでのこだわりと執着に思いをはせつつ、私は十二分に堪能しました。そして、写真も十二分に(?)撮らせていただきました。とってもやさしかった職人さん、どうもありがとうございました。