12/17/2005
アングルを工夫する


これまで構図についてあれこれ書いてきましたが、アングルについても是非触れておかなければなりません。というのも、構図とアングルは切っても切れない関係にあるからです。

この2つの言葉はごっちゃに使われることもありますが、ここできちんと整理しておくと、「構図」とは写真の画面の構成のことで、「アングル」とは被写体に対する自分の位置のことです。つまり厳密に言えば、写真を撮るという行為は、

  1. アングルを決める
  2. 構図を決める


の2段階に分かれます。なぜ構図とアングルが切っても切れない関係にあるかと言うと、ベストな構図を狙うためには、ベストなアングルを見つけることが必要条件だからです。同じ位置からいくらカメラを動かしても、どーにもこうにも決まらない、なんて経験はありませんか?そんな時、ファインダー(あるいは液晶画面)を見ながらちょっと移動してみる(=アングルを変える)と、急にピタッと決まる位置が見つかることがあります。むしろ多少移動しないと見つからないことの方が多いくらいです。

ただしこの時、自分の中に「左右の被写体の間のスペースを狭くしたい」とか「横の被写体がジャマだからフレームから消したい」とか、ベストな構図に対する具体的なイメージを持っていることが重要です。つまり構図とは、自分の撮りたいイメージに近づけるために、常にアングルを変えながら修正していくものなのです。(あくまでも転ばないように)

アングルを変える場合、自分が被写体の周りを移動するだけでなく、高い所に上ったり、中腰になったり、しゃがんだりすることで「目線の高さを変える」ことも重要です。この「目線の高さを変える」という発想は意外にもそれほど浸透しておらず、ほとんどの人は自分の目の高さからそのままポンと撮っています。でも何らかの被写体を前にして「いい構図はないかな」と突きつめて行くと、自分の目の高さを変えることで初めて得られる構図もあることに気づきます。ちょっとしゃがむだけで驚くほど構図がカッコ良くなることもあります。

きょうの写真(左下)はシンガポールのチャイナタウンを手前のアパートに忍び込んで(?)上から「三脚+タイマー+ISO400+露出補正プラス1+望遠」で撮ったものです。(ISO400なのは光がちょっと足りなかったためで、望遠を使ったのは賑やかさを出すために全体をギュッと圧縮させたかったからです)

右側の写真は普通の目線(とは言っても階段の上からなのでちょっと高い)から撮ったものです。高い位置から撮ったものの方が、この狭い路地に密集したチャイナタウンの世界観をよく表しているほか、傘の並び方や建物の連なり方など、構図自体が美しいことは言うまでもありません。