09/24/2007
簡単レタッチ 3つのステップ


「CRYSTALに載せている写真は修整しているんですか?」とか、「具体的なレタッチ方法を教えてください」というご質問を時々いただきます。今までは個別にお答えしてきましたが、せっかくなのできちんとまとめてこちらに載せておくことにしました

まず、修整しているんですか?の答えはイエスです。デジタルデータというのは画素の集まりですから、画像サイズを変えただけで劣化してしまいます。なので、ウェブサイト上に画像を載せる(=画像サイズを縮小する)だけでも、ごく基本的なレタッチは必要になってきます。

さらに、露出やホワイトバランスと同じで、何らかの理由(カメラの性能に限界があることも含む)で、実際とは異なる状態になってしまった場合、それを「あるべき形に戻す」ために行うレタッチもあります。言い換えると、マイナスをゼロに戻すためのレタッチです。(ゼロに余計なものを加えてプラスにするわけではないところがポイント)

では、私が行っている基本的なレタッチ作業、①レベル補正、②カラーバランス、③アンシャープマスクの3つを、順番に見ていきます。(ここでは英語版のフォトショップを使っていますが、日本語版や、フリーも含めた他のソフトにも、同じような機能があると思います)

①レベル補正

まず下をご覧ください。これは、何もいじっていない撮りたてほやほやのオリジナルの画像です。(実際はここにアップするため縮小してありますが、見逃してください・笑) この段階で最初にチェックすべきなのが、画像の「明暗の状態」です。簡単に言えば、画像が暗すぎるか、明るすぎるかをチェックするわけです。それを見るには、レベル補正という項目からヒストグラム(下の画像の右側にある分布図)を開きます。





ヒストグラムに表示されている山の形に注目してください。山の形がどうであれ、左端から右端まで黒い山が盛り上がっていれば、調整する必要はありません。でも上の場合は、右側に山が全くない状態です。これは、この画像の露出がアンダーになっている(=暗すぎる)ことを意味するので、調整する必要があります。(実際この写真は、露出補正をマイナスにしたままなのを忘れて撮ったものです)

調整の仕方は簡単で、下の図にあるように、山のすぐ下にあるスライダーを山が始まる部分まで動かすだけでOKです。画像が明るくなったのがわかりますか?もし左側に山がない場合(=露出オーバー)であれば、一番左のスライダーを動かし、右も左もない場合は、両方のスライダーをそれぞれの山が始まる部分まで動かします。要は、盛り上がっていない部分をなくすわけですね。





②カラーバランス

次は画像に不自然な色被りがないかどうかをチェックします。色被りは、ホワイトバランスと同様に、「白が白になっているかどうか」を基準に判断します。今回の画像は十分普通の色なので、本当だったら何もしなくていいのですが、それだと例にならないので、あえてちょこっと補正することにします。色調補正のポイントは、色被りしている色を「抜く」ことです。下の図を見てください。





カラーバランスを開くと、最初は3つのバーのスライダーはすべて真ん中(ゼロ)の位置にあります。今回の画像は強いて言えば白の部分がほんの少しだけ緑がかっているので、青緑(シアン)、緑(グリーン)、そして同系色の黄色(イエロー)を「抜く」、つまり、スライダーをこれらと反対の色の方向に画像の変化を見ながら必要なだけ動かします。この画像を1つ前の画像と比べると、緑の色調が若干抜けた分、全体的により白っぽくなったことがわかると思います。

ここで、カラーバランスの下にあるトーンバランスの3つの選択肢のうち、「ハイライト」をチェックしていることに注意してください。ディフォルトでは真ん中の「ミッドトーン」になっているのですが、それだと中くらいの濃さの色が補正されてしまいます。この画像の場合は、ほとんど補正の必要がないため、白っぽい部分(=ハイライト)に限定して色被りを抜きます。逆に色の濃い部分だけを補正したい時は、「シャドウ」をチェックした状態でスライダーを動かします。

③アンシャープマスク

明暗と色調の補正が終わったら、画像を好きなサイズに縮小します。(ここではウェブサイト上にアップすることを仮定しています。以前は縮小せずにオリジナルサイズをそのままアップするという恐ろしい人もたまにいましたが、最近はさすがに見かけません・笑) そして「その後に」、画像を引き締めます。この時使う機能が「アンシャープマスク」です。

アンシャープマスクは、画像のサイズを変えたり、何かの補正をすることでぼやけてしまった画素をシャープに見せる効果があります。(つまり、明暗や色調を補正しなくても、画像サイズを大きく変えた場合はこれが必要になります) フォトショップの場合、「シャープ」、「シャープ(強)」、「シャープ(輪郭のみ)」といった選択肢もありますが、特に変わったことをする必要がない限り、私はアンシャープマスクを使うことをお勧めします。

アンシャープマスクと言うと、「アンシャープだから、シャープの反対?」と思ってしまいますが、シャープにする過程で、ぼかした(=アンシャープされた)画像をマスクに使用するため、こう呼ばれるようになったようです。なので、まあ深く考えず、これもシャープなのね、と覚えておけばOKです。

では、シャープにするとは、どういうことなのでしょうか。わかりやすくするために、5ピクセル×5ピクセルの画像を見てみます。


  • オリジナル画像
  • シャープ
  • シャープ(強)
  • アンシャープマスク



一番左が元の画像です。これにシャープをかけた左から2番目の画像と見比べてみてください。どこが変わったでしょうか?そう、薄い色はより薄く、濃い色はより濃くなっていることがわかります。これがシャープ(強)になると、その差がさらにはっきりします。

つまり、シャープをかけると、色彩のコントラストが強くなるのです。それによって輪郭がより強調され、画像全体がシャープになったように見えるわけですね。ちなみに、ここでアンシャープマスクをかけたものは、シャープほどコントラストが強くないことに注目してください。

ではまた先ほどの画像に戻って、アンシャープマスクをかけてみます。下の図を見てください。アンシャープマスクを開くと、Amount(量)、Radius(半径)、Threshhold(しきい値)の3つの設定が出てきます。シャープの場合はこれらがディフォルト数値で固定されているのに対し(なのでボタンを押すと即実行され、このような画面は出てきません)、アンシャープマスクでは数値を一定の範囲内で好きなように変えることができます。これがアンシャープマスクとシャープとの違いです。(それにしては言い方が紛らわし過ぎ・汗)





私は通常、量を50%、半径を1.0ピクセル、しきい値をゼロにして使っています。(これってもしかしてアンシャープマスクのディフォルト設定なんですが) 上の5ピクセル×5ピクセル画像の比較で使ったアンシャープマスクもこの設定です。つまりこの設定は、シャープのディフォルト設定よりもコントラストがソフトなわけですね。この画像の場合は、それでもシャープがきつ過ぎたため、量を30%まで下げました。

なので、シャープなんか使っちゃうと大変です。モロに不自然。というかギザギザです(笑) この画像に限らず、たいていの場合はシャープを使うとやり過ぎになってしまうため、アンシャープマスク機能がある場合はなるべくシャープは使わないことをお勧めします。また色情報は画像によってさまざまのため、数値を変える際は、数字の大きさ自体にこだわらず、あくまで画像を見ながらスライダーを動かすのがポイントです。(これは他の補正にも当てはまります)

というわけで、3つの作業を見てきましたが、レタッチは少なければ少ないほどいいので(やればやるほど画質がどうしても劣化します)、必要のないことは一切せず、補正する場合も最小限にとどめるのがベストです。

さ~て、では最後に、レタッチ前の画像とレタッチ後の画像を直接見比べてみましょう!左がレタッチ前、右がレタッチ後のものです。(逆とか言わないでね・笑)





こうして見ると、びっくりするくらい違いますね。(って違いが大きいものをサンプルに選んだわけですが) でも、ちまたのブログで見かける画像は案外、左に近いものが多かったりします。本来よりも暗く、ぼやけているものをそのまま載せるなんてもったいない!ちょっとしたステップを踏むだけで画像はこんなに改善します。是非トライしてみてください。(でも最小限にね・笑)